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ウソから出た、まこと ―地域を超えていま生まれ出るアート

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展覧会の企画、キュレーション、 コーディネーション業務

地域の人々との共同作業によって作られる作品やプロジェクトが、いま日本では数多く行われています。 十和田市現代美術館が昨年から取り組んでいる〈「地域アート」はどこにある?〉プロジェクトは、そういった表現の多様さ、そこにある課題、可能性をひもといていく試みです。 本展はこのプロジェクトの一環として、地域の人々と共に実験的な活動を続けてきた3組の作家、北澤潤、Nadegata Instant Party、藤浩志による新作を、美術館内外で展示しました。 北澤潤は、自身の活動拠点であるインドネシアの乗り物を持ち込み、来館者に貸し出すプロジェクトを行います。“他国の乗り物”という仕掛けが、エラーやバグのように突如としてまちに現れ、生活になじみはじめるとき、歴史と文化が共鳴し、私たちが当たり前と思っていた日常も揺るがされるでしょう。この企画は市民と共同で運営され、まちを「活性化」する実験としての側面を持ちます。 Nadegata Instant Partyは2006年の結成以来、日本全国各地でその地域の人たちを巻き込みながら、思いもよらない出来事を生み出してきた新進気鋭のアートユニットです。今回は公募で集まった一般参加者とともに、VR(ヴァーチャル・リアリティ)体験をテーマにした新作プロジェクトを行い、作家も参加者も予想できない、その時その場所で偶発的に起こっていく出来事を導き出し、作品にしました。 藤浩志は、1980年代より参加者が自発的に事を起こすようなシステムや仕組みを社会にインストールする、OS(オペレーション・システム)と自らが呼ぶ作品を創出し続けてきました。本展では十和田市現代美術館と協働で自身をモデルにしたある作家の活動を小説化し、同時に実際の活動の痕跡を展示しました。一人の作家の思考プロセスを通して、社会や歴史の動きと連動して出て来たこの表現領域の意味を、私たちは見ることになるでしょう。 タイトルにある「ウソ」は、芸術の常套手段である虚構、フィクションという意味です。それをコミュニティに持ち込むことで、現実を鮮やかに動かしていく彼らの実践をご覧いただきました。 詳しくはこちらから。 【参加アーティスト】 北澤潤、Nadegata Instant Party、藤浩志 【基本情報】 会期:2019年4月13日(土) – 9月1日(日) 会場:十和田市現代美術館
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